定着率とは?計算方法と業界平均、改善のために最初に見直すべきこと

定着率とは?計算方法と業界平均、改善のために最初に見直すべきこと
定着率の計算方法、業界別の平均値、定着率が低い原因を解説。改善の第一歩は採用段階の情報発信にあります。

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「採用してもすぐ辞めてしまう」「また一から採用し直しだ」。こうした悩みを抱えている企業は、まず自社の定着率を正確に把握することから始めてみてください。定着率とは、入社した社員がどれだけ残っているかを示す指標です。この記事では、定着率の計算方法と業界別の平均値を示した上で、定着率を改善するために最初に見直すべきポイントを解説します。

定着率とは「社員がどれだけ残っているか」を示す指標

定着率とは、一定期間内に入社した社員のうち、現在も在籍している人の割合です。たとえば「3年定着率80%」なら、3年前に入社した社員の8割が今も働いていることを意味します。

定着率の計算方法

定着率の計算式はシンプルです。

定着率(%)= 一定期間後の在籍者数 ÷ 入社時の人数 × 100

たとえば、2023年4月に10名が入社し、2026年4月時点で7名が在籍していれば、3年定着率は70%です。

計算のポイントは2つあります。

  • 期間を揃える: 「1年定着率」「3年定着率」など、比較する期間を統一する
  • 途中入社を含めない: 期間中に中途入社した人は分母に含めない。同じ条件で比較するため

離職率との違い

定着率と離職率は表裏の関係です。定着率が80%なら、離職率は20%。どちらを使っても同じことを表していますが、求人票や企業情報では「定着率」が使われることが多いです。理由はシンプルで、「定着率90%」の方が「離職率10%」より前向きな印象を与えるからです。

厚生労働省の統計では「離職率」が公式に使われているため、業界平均と比較する際は離職率のデータから逆算して定着率を求めます(定着率 = 100% − 離職率)。

業界別の定着率 — 自社の立ち位置を知る

定着率は業界によって大きく異なります。自社の数字が「高いのか低いのか」を判断するには、業界平均との比較が必要です。

全体の平均値と業界別の傾向

全産業の平均離職率は15.4%です。これを定着率に換算すると、全体の平均定着率は約85%です。
出典: 厚生労働省「令和5年 雇用動向調査」

ただし、業界によって差があります。

  • 定着率が高い傾向: 鉱業・採石業(離職率6.4%→定着率約94%)、製造業(離職率10.4%→定着率約90%)
  • 定着率が低い傾向: 宿泊業・飲食サービス業(離職率26.6%→定着率約73%)、生活関連サービス業(離職率20.5%→定着率約80%)

現場産業(製造・建設・宿泊)で定着率が低くなりやすい理由

現場産業の定着率には業界ごとの事情があります。製造業は全体としては定着率が高い方ですが、中小規模の工場では人手不足が深刻で、定着率が平均を大きく下回るケースも少なくありません。

建設業や宿泊業では、体力的な負荷や不規則な勤務が離職の一因とされがちです。しかし、それだけが原因ではありません。多くの場合、入社前に「実際の働き方」が十分に伝わっていないことが、入社後の「思っていたのと違う」につながっています。

人材確保が難しくなっている構造的な理由は別の記事で詳しく解説しています。

定着率が低い企業に共通する構造的な原因

定着率が低い企業には共通するパターンがあります。ここでは、表面的な理由ではなく、構造的な原因に焦点を当てます。

入社前と入社後の「情報ギャップ」

定着率低下の根本にあるのは、入社前後の「情報ギャップ」です。エン・ジャパンの調査によると、入社者の87%が入社後にギャップを経験しています。
出典: エン・ジャパン「入社後のギャップに関する調査」2022年

求人票には給与、勤務時間、仕事内容の概要は書かれています。しかし、実際の職場の雰囲気、1日の仕事の流れ、上司や同僚との関係性は、入社してみないとわかりません。この「見えない情報」のギャップが、「思っていたのと違った」という離職理由に直結しています。

早期離職の原因と採用段階での防ぎ方で、このメカニズムを詳しく解説しています。

環境や待遇が原因ではないケースがある

「給与を上げれば辞めなくなる」「福利厚生を充実させれば定着する」。こうした施策が効く場面はありますが、それだけでは解決しないケースも多いのが実態です。

たとえば、給与に不満がなくても「自分がこの会社で何を目指せばいいのかわからない」「入社前に聞いていた話と現場が違う」と感じて離職する社員は少なくありません。定着率を改善するには、待遇面の改善と合わせて、入社前に届ける情報の量と質を見直すことが重要です。

定着率を上げるために最初に見直すべきこと

定着率の改善には、評価制度の見直しや労働環境の改善など複数のアプローチがあります。しかし、これらは時間もコストもかかる施策です。最初に見直すべきは、もっとシンプルな部分です。

求職者に届いている情報を棚卸しする

まず、今の採用活動で「求職者にどんな情報が届いているか」を確認してください。

  • 求人票
    給与・勤務時間・仕事内容の概要だけになっていないか
  • 自社サイト
    企業情報は更新されているか。採用ページに職場の情報はあるか
  • 面接
    仕事内容の説明は具体的か。候補者の疑問に答えられているか

多くの場合、求職者が得られる情報は「条件面」に偏っています。職場の雰囲気、チームの人間関係、仕事のやりがいといった「働く実感」に関する情報は、ほとんど届いていません。

現場のリアルを応募前に届ける仕組みをつくる

情報ギャップを減らすには、「現場のリアル」を応募前に届ける仕組みが必要です。

転職者の約9割が応募前に企業の情報収集を行っています。また、求職者の8割以上が採用動画を視聴しており、6割以上が視聴後に志望度が上がったと回答しています。
出典: マイナビ「転職動向調査」2024年/moovy「採用動画のトレンドに関する調査」2024年/Lumii「採用動画に関する実態調査」2024年

特に現場産業では、仕事の魅力は「体験しないとわからない」部分にあります。工場のラインでチームが声を掛け合う様子、建設現場の朝の段取り、ホテルの裏方で連携するスタッフの動き。こうした空気感を映像で伝えることで、入社前後のギャップを大幅に減らせます。

情報発信の具体的な始め方は「採用広報の始め方」で、採用全体の仕組みづくりは「採用戦略の立て方」で解説しています。

まとめ

定着率は、自社の採用と組織の健全性を測る基本的な指標です。

  1. まず計算して現在地を把握する
    定着率 = 在籍者数 ÷ 入社時の人数 × 100。業界平均(全体約85%)と比較して自社の位置を知る
  2. 定着率が低い根本原因は「情報ギャップ」
    入社者の87%が入社後にギャップを経験。求人票の条件だけでは伝わらない「現場のリアル」が届いていない
  3. 改善の第一歩は「届ける情報」の見直し
    評価制度や福利厚生の改善も重要だが、まず「求職者に何が伝わっているか」を確認することが最もコストをかけずに始められる改善策

StokedBaseは、現場産業の企業が抱える「伝わらない」課題に対して、映像制作・採用サイト制作・YouTube運用で支援しています。「定着率を上げたいが何から始めればいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。

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