自社のホームページに動画を載せるべきか、迷っている方は多いのではないでしょうか。「動画を入れると効果がある」という情報はよく目にするものの、どのページにどんな動画を配置すればいいのか、具体的な判断基準がわからないまま踏み出せないケースは少なくありません。この記事では、ホームページに動画を載せることで得られる効果とその仕組みを整理したうえで、ページごとの活用設計、成果につなげるための設計ポイント、埋め込み方法の選び方までを一通り解説します。Webサイトの構成設計と動画制作の両方を手がけるストークベースの視点から、HP動画の活用を検討する際の判断材料をお伝えします。
目次
ホームページへの動画掲載は、もはや大企業だけの施策ではありません。企業規模を問わず導入が進んでいる背景には、動画が持つ情報伝達の構造的な強みがあります。ここでは、HP動画が効果を発揮する仕組みと、現場産業における動画の親和性を確認します。
ホームページに動画を載せることで効果が出るのは、動画の情報伝達構造に理由があります。
1. 情報量の差が理解度の差になる。
動画は映像・音声・テキストを同時に伝えられるため、テキストと写真だけのページと比べて、短い時間で多くの情報を届けられます。たとえば製品の動作や現場の雰囲気は、文章で説明するよりも映像で見せたほうが正確に伝わります。訪問者の理解度が上がれば、問い合わせや資料請求などの次のアクションに進む判断がしやすくなります。
2. 動画は訪問者の滞在時間を伸ばす。
動画を再生している間、訪問者はページに留まります。滞在時間が伸びること自体がSEO(検索順位への好影響)に直結するわけではありませんが、ページの内容をより深く理解した状態で次のアクションに進むため、問い合わせや資料請求の確率が高まります。
3. 視覚情報は記憶に残りやすい。
テキストで読んだ情報よりも、映像で見た情報のほうが記憶に残りやすいことは、日常の経験からも実感できるはずです。HPを離れた後も自社の印象が残りやすくなり、比較検討の段階で思い出してもらえる確率が上がります。
これら3つの仕組みは、業種や市場を問わず成り立つ動画の構造的な強みです。実際に自社のHPでどの程度の効果が出るかは、動画の内容や配置場所に左右されますが、「なぜ動画が効くのか」の原理を理解しておくことで、効果的な活用設計につながります。
HPへの動画配置をマーケティング戦略全体の中で位置づけるには、BtoB動画マーケティング入門もあわせてご覧ください。
製造業の工場内部、建設現場の作業風景、物流倉庫のオペレーション。これらは、テキストと写真だけでは実態を伝えきれない領域です。
たとえば、求人票に「プレス加工」「ピッキング」と書いても、その仕事を経験したことがない人にはイメージが湧きません。工場内の設備や作業の流れ、現場の雰囲気は、動画でなければ伝わらない情報です。
HPに動画を載せることで、以下のような効果が期待できます。
このように、現場産業のHPでは「見せなければ伝わらない情報」が多く、動画との親和性が高い領域です。
ホームページに動画を載せると決めたとき、最初に考えるべきは「どのページに」「どんな動画を」配置するかです。動画を作ること自体が目的になってしまうと、完成した動画の置き場所に困ったり、期待した効果が出なかったりするケースがあります。
以下のマトリクスは、HPの主要ページごとに適した動画の種類と、それぞれに期待できる効果を整理したものです。
| ページ | 適した動画の種類 | 動画の役割 | 期待できる効果 |
|---|---|---|---|
| トップページ | PR動画・会社紹介動画 (15-30秒のダイジェスト版) |
ファーストビューで会社の世界観を伝え、興味を持った訪問者を下層ページへ誘導する | サイト回遊率の向上、 直帰率の低下 |
| サービス紹介ページ | サービス紹介動画・製品デモ動画 (1-2分) |
製品やサービスの強み・特徴を視覚的に伝え、問い合わせにつなげる | 問い合わせ率の向上 |
| 会社案内ページ | 会社紹介動画・施設紹介動画 (2-3分) |
企業の規模感、設備、社風を映像で見せ、取引先・求職者の信頼感を醸成する | 信頼性の向上、 他社との差別化 |
| 採用ページ | 採用動画・社員インタビュー動画・密着動画 (2-5分) |
求職者の「この会社で働くイメージ」を具体化し、応募への不安を解消する | 応募数の増加、 入社後のミスマッチ低減 |
この表のポイントは、ページごとに動画の尺と役割が異なることです。トップページに5分の動画を置いても、訪問者はファーストビューで離脱してしまう可能性があります。逆に、採用ページの社員インタビューが30秒では、求職者の判断材料として不十分です。
トップページの動画は、訪問者がサイトに着地した瞬間のファーストインプレッションを決めます。長尺の動画を流すのではなく、15-30秒程度のダイジェスト映像を背景動画やヒーロー動画として配置し、会社の雰囲気や事業の全体像を直感的に伝えるのが効果的です。
製造業であれば工場の設備が稼働している映像、建設業であれば施工現場のタイムラプス映像など、業種の特徴が一目で伝わる映像を選びます。音声なし・自動再生でも成立する映像にすることがポイントです。
トップページに載せるPR動画の企画・制作については、PR動画の作り方で詳しく解説しています。
サービス紹介ページの訪問者は、自社の製品やサービスに興味を持って情報を集めている段階です。ここに配置する動画は、テキストでは伝わりにくい製品の動作、加工の精度、サービスの流れを1-2分の映像で見せることが役割です。
たとえば、金属加工の精度を数値だけでなく実際の加工映像で見せたり、物流サービスの集荷から配送までの流れを動画で追ったりすることで、テキストの説明とは違った説得力が生まれます。
サービス紹介ページに載せる動画を営業ツールとしても活用する方法は、営業動画の活用方法をご覧ください。
会社案内ページは、取引先の担当者が「この会社に依頼しても大丈夫か」を確認するために訪れるページです。代表メッセージ、社員の働く姿、オフィスや工場の様子を2-3分の動画にまとめることで、テキストの会社概要だけでは伝わらない企業の実態を見せることができます。
会社紹介動画の構成や作り方の詳細は、会社紹介動画の作り方の記事で解説しています。
採用ページは、ホームページの中で最も動画の効果が出やすいページの一つです。求職者は「この会社で実際にどんな仕事をするのか」「職場の雰囲気はどうか」を知りたいと考えています。テキストや写真だけでは伝わらない現場のリアルを動画で見せることで、応募への心理的ハードルを下げる効果があります。
社員インタビュー動画、1日の仕事の流れを追った密着動画、職場環境を紹介する動画など、求職者の不安に対応した動画を配置します。2-5分程度の尺で、実際に働いている人の声や表情が見えるコンテンツが効果的です。
採用動画がもたらす具体的な効果については、採用動画の効果を事例で検証した記事で詳しく解説しています。
どのページにどんな動画を載せるべきか、自社のHPに合わせた具体的なプランを知りたい方は、お気軽にご相談ください。
動画をHPに載せるだけでは、期待した効果は得られません。HP設計と動画制作の両方の視点から、成果につなげるための設計ポイントを5つ整理します。
HP用の動画制作で最も多い失敗パターンは、「動画を作ること」自体が目的になってしまうケースです。かっこいい映像を作ったものの、HPのどのページに載せるのか、その動画で訪問者にどんな行動を取ってもらいたいのかが定まっていないと、成果にはつながりません。
動画を制作する前に、以下の3点を明確にしておくことが重要です。
動画の長さは、配置するページの役割に合わせて決めます。
配置位置は、動画の目的と訪問者の行動導線を考慮して決めます。問い合わせにつなげたい場合は、動画の直後に問い合わせボタンやフォームへのリンクを配置する設計が有効です。
動画の中身だけでなく、見せ方にも注意が必要です。
サムネイル(最初に表示される画面)を意図的に選ぶ。
自動再生しない設定の場合、訪問者が動画を再生するかどうかはサムネイルで決まります。人物の表情が見える画面、設備やサービスの特徴がわかる画面など、「この動画を見たい」と思わせるサムネイルを設定してください。
スマートフォンでの表示を確認する。
HPの訪問者の多くがスマートフォンからアクセスしています。動画がスマートフォンの画面サイズで正しく表示されるか、読み込みに時間がかかりすぎていないかを、公開前に必ず確認してください。
動画の本数を絞る。
1ページに動画を何本も配置すると、ページの読み込み速度が遅くなり、どの動画を見ればいいのかわからなくなります。1ページにつき1-2本を目安にし、最も伝えたいメッセージに集中した動画を配置するのが基本です。
HP用の動画が完成したら、次はどの方法でページに埋め込むかを決めます。主な方法は3つあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
| 方法 | メリット | デメリット | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| YouTube埋め込み | 無料。SEO効果 (YouTube検索からの流入)。 共有されやすい |
関連動画が表示される (自社以外の動画も含む)。 広告が表示される場合がある |
採用動画、会社紹介動画など、 YouTube上でも視聴を増やしたい動画 |
| Vimeo埋め込み | 広告なし。関連動画の非表示が可能。 プレーヤーのデザインをカスタマイズできる |
有料プラン (Starterプラン月額1,200円〜)が必要。 YouTube比で視聴者数が少ない |
ブランドイメージを重視する トップページ、サービス紹介ページ |
| 自社サーバー直接配置 | 完全にデザインをコントロールできる。 外部サービスへの依存なし |
サーバーの容量・転送量を消費する。 配信速度が遅くなるリスクがある。 自前での最適化が必要 |
ファーストビュー背景動画など 短尺の映像 |
どの方法を選ぶかの判断基準は以下の3点です。
動画をHPに埋め込む際に最も注意すべきは、ページの表示速度です。動画ファイルは容量が大きいため、対策なしに配置するとページの読み込みが遅くなり、訪問者の離脱を招きます。
以下の対策を実施してください。
HP用の動画制作にどのくらいの費用がかかるのかは、動画の種類と品質によって大きく変わります。
動画制作の市場相場として、動画制作会社への発注データでは平均発注額が81.5万円、中央値が54万円、50〜100万円の価格帯が28%で最多となっています。
出典: 動画幹事 発注データ調査
HP用動画を種類別にみると、おおよそ以下の費用帯になります。
これらは市場の目安であり、制作会社や動画の内容によって変動します。動画制作の費用相場や見積もりの内訳については、動画制作の費用相場の記事で詳しく解説しています。
HP用動画を初めて制作する場合、いきなり全ページの動画を揃える必要はありません。以下のステップで段階的に進めることをおすすめします。
ステップ1: 最も効果が出やすいページから1本作る。
前述のマトリクスを参考に、自社のHPで最も課題があるページの動画から始めます。採用に困っているなら採用ページ、新規の問い合わせを増やしたいならサービス紹介ページの動画が優先です。
ステップ2: 効果を測定する。
動画を配置した後、問い合わせ数やページの滞在時間がどう変化したかを確認します(測定方法は次のセクションで解説します)。
ステップ3: 効果を確認してから次の動画に投資する。
1本目の効果が確認できたら、次に優先度の高いページの動画に投資を広げます。
ホームページに動画を載せたら、その効果を定期的に確認することが重要です。「載せたまま放置」では、動画が成果に貢献しているかどうかがわかりません。
Googleアナリティクス4(GA4)を使えば、動画を載せたページの効果を無料で測定できます。確認すべき指標は以下の3つです。
動画を載せても期待した効果が出ていない場合は、以下の観点でチェックしてください。
ホームページに動画を載せる効果は、動画の情報伝達構造に裏付けられています。映像・音声・テキストを同時に届けることで訪問者の理解度が上がり、問い合わせや応募といった次のアクションにつながりやすくなります。
ただし、成果を出すためには「どのページにどんな動画を置くか」の設計が重要です。トップページには短尺のブランド映像、サービス紹介ページには製品の強みを見せる動画、採用ページには求職者の不安を解消する動画など、ページの役割に合わせた動画を配置することで、初めて動画がビジネス成果に貢献します。
まず1本から始めて効果を測定し、検証結果をもとに次の動画に投資を広げていく。この段階的なアプローチが、HP動画で成果を出すための現実的な進め方です。
ストークベースは、ホームページ制作と映像制作の両方を手がける制作会社です。「HPのどのページにどんな動画を載せるべきか」を、Webサイトの構成設計と動画制作の両面からご提案できます。
自社のホームページにどんな動画が合うか、まずはお気軽にご相談ください。Web制作と映像制作の両方を手がけるストークベースが、HPの構成に合わせた動画活用プランをご提案します。