「自社の紹介動画を作りたいが、何をどう撮ればいいかわからない」。会社紹介動画の制作を検討する企業から、こうした声をよく聞きます。検索すれば事例集は見つかりますが、かっこいい映像を見ても「自社ならどうすればいいか」はわかりません。この記事では、会社紹介動画の種類・構成パターン・制作の流れ・費用の目安まで、映像制作の現場経験をもとに解説します。
目次
会社紹介動画は、企業の事業内容・理念・職場の雰囲気などを映像で伝えるコンテンツです。採用活動、営業商談、展示会、IRなど幅広いシーンで活用されています。
まず押さえておきたいのは、「会社紹介動画」と一口に言っても、目的によって作るべき動画の種類が異なるということです。
会社紹介動画は、採用動画やPR動画と混同されることがあります。それぞれの違いを整理します。
実際には、会社紹介動画を採用活動に活用するケースも多くあります。ただし、1本の動画で全ての目的を満たそうとすると、誰にも刺さらない動画になりがちです。目的ごとに動画を分けるか、1つの目的に絞って制作することが重要です。
会社紹介動画は大きく4つの種類に分けられます。
どの種類を選ぶかは、「誰に」「何を」伝えたいかで決まります。採用で「現場の雰囲気を伝えたい」なら職場紹介型。取引先に「事業の全体像を伝えたい」なら事業紹介型。まず目的を1つに絞ることが、成果につながる動画の出発点です。
なぜ今、多くの企業が会社紹介動画の制作に取り組んでいるのか。その背景には、テキスト情報だけでは伝わらない領域が広がっているという事実があります。
求人票に「明るい職場です」と書いても、どんな雰囲気なのかは伝わりません。工場や建設現場、ホテルの裏方といった現場産業では、仕事の実態が外から見えにくいため、この問題は特に深刻です。
実際に、動画が採用に与える効果を示すデータは複数あります。採用動画を視聴した求職者の86%が「志望度が上がった」と回答し(Videoクラウド調査)、採用に成功している企業の63.3%が動画コンテンツを活用しています(Candee「採用動画に関する調査」2022年)。
動画の効果は採用だけにとどまりません。営業の場面では、サービスの仕組みや導入事例を短時間で伝えるツールとして使えます。展示会では、ブースに立ち止まってもらうきっかけになります。一度制作すれば、採用サイト、YouTube、商談資料、SNSと複数のチャネルで活用できる点も、費用対効果の高さにつながっています。
採用動画の効果やデータについては、採用動画の効果をデータで検証した記事で詳しく解説しています。「そもそも動画に効果があるのか」を確認したい方はそちらもご覧ください。
ここからは、会社紹介動画の構成設計について具体的に解説します。「何を」「どの順番で」見せるかが、動画の伝わりやすさを大きく左右します。
多くの会社紹介動画は、以下の4パートで構成されています。
このフレームを踏まえた上で、目的に応じて中身を設計します。
採用向けの会社紹介動画では、「この会社で働くイメージが持てるか」が最も重要です。求職者が知りたいのは、きれいに整えられた情報ではなく、実際の仕事と職場のリアルです。
| パート | 内容 | 撮影対象 |
|---|---|---|
| 導入 | 会社の外観・現場の風景 | 社屋、工場、現場 |
| 仕事内容 | 実際の業務の流れ | 作業工程、機械操作、接客 |
| 社員の声 | 入社のきっかけ、やりがい | 現場社員2-3名のインタビュー |
| 職場の雰囲気 | 休憩時間、チームワーク | 自然なコミュニケーション |
| メッセージ | 代表または上司からの言葉 | 代表、現場リーダー |
| CTA | 採用情報への誘導 | テキスト・URL表示 |
ポイントは、「現場で実際に何をしているか」を見せることです。製造業なら加工の工程を、物流なら倉庫でのピッキングや配送の流れを、ホテルなら裏方の業務を映像にします。これはテキストの求人票では絶対に伝えられない情報です。
ストークベースが制作した東武ホテルマネジメントの採用動画では、各職種の仕事内容や働く姿を映像化しています。求職者が「自分がここで働く姿」をイメージできることを重視した構成です。
採用での動画活用を検討している方は、会社の魅力の伝え方や採用動画で会社の魅力を伝える方法も参考になります。
営業ツールやブランディング目的の場合は、「何をしている会社か」を短時間で正確に伝えることが求められます。
| パート | 内容 | 撮影対象 |
|---|---|---|
| 導入 | 企業理念・キャッチコピー | テキスト+イメージ映像 |
| 事業概要 | 事業領域と強み | サービス紹介、数字(拠点数・実績等) |
| 事例・実績 | 代表的な取り組み | 納品先、プロジェクト |
| 社風・体制 | チームの雰囲気 | オフィス、会議、連携 |
| メッセージ | 代表メッセージ | 代表インタビュー |
| CTA | 問い合わせ・資料請求 | テキスト・URL表示 |
営業・ブランディング目的では、「かっこいい映像」を目指しがちですが、視聴者が知りたいのは見た目の良さではなく「この会社は何ができるのか」です。映像のクオリティと情報の中身を両立させる構成が重要です。
会社紹介動画の制作は、一般的に以下の5ステップで進みます。
全体で1.5〜2ヶ月が目安です。撮影自体は1-2日ですが、企画と編集に時間がかかります。
会社紹介動画の費用は、動画の長さ・撮影の規模・演出の凝り具合によって大きく変わります。
| 尺 | 用途 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 30秒〜1分 | SNS・Web広告・展示会 | 30万〜80万円 |
| 1〜3分 | 採用サイト・YouTube・営業ツール | 50万〜150万円 |
| 3〜5分 | 会社案内・IR・詳細な事業紹介 | 100万〜300万円 |
上記は一般的な市場相場の目安です。制作内容によって変動するため、正確な費用は制作会社に見積もりを依頼してください。費用の差が出るのは、主に「関わるスタッフの人数」と「撮影日数」です。カメラ1台・1日撮影なら比較的コンパクトに収まりますが、複数拠点で撮影する場合や、ドローン撮影・ナレーション収録を加える場合は費用が上がります。
採用動画の費用について詳しく知りたい方は、採用動画の費用相場の詳細もご覧ください。
会社紹介動画の費用は、尺・表現方法・撮影規模の3軸で大きく変わります。市場相場を軸別に整理します。
| 尺 | 費用レンジ | 制作期間 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 30秒〜1分 | 30万〜80万円 | 1〜1.5ヶ月 | SNS・Web広告・展示会 |
| 1〜3分 | 50万〜150万円 | 1.5〜2ヶ月 | 採用サイト・YouTube・営業ツール |
| 3〜5分 | 100万〜300万円 | 2〜3ヶ月 | 会社案内・IR・詳細事業紹介 |
| 5〜10分 | 150万〜500万円 | 3ヶ月以上 | 展示会メイン・詳細な事業説明 |
| 表現方法 | 費用レンジ | 特徴 |
|---|---|---|
| スライドショー型(撮影なし) | 10万〜30万円 | 既存写真・素材の組み合わせ。安価だが情報の深さは限定的 |
| インタビュー・実写型 | 50万〜200万円 | 現場・オフィス撮影+社員インタビュー。実写の説得力が出る主流形式 |
| ドキュメンタリー・密着型 | 100万〜300万円 | 現場密着で複数日撮影。臨場感が最も高い |
| アニメーション型 | 50万〜200万円 | イラスト・モーショングラフィックス。抽象的な事業説明に向く |
| 3DCG・VFX型 | 200万〜500万円 | 製品CG・特殊演出。技術系企業のブランディング動画に多い |
会社紹介動画の見積で費用差が出るのは、主に以下の4つの費目です。
「30万円台のスライドショー型」と「200万円台の実写密着型」の違いは、単純な演出の派手さではなく「撮影の日数」と「関わるスタッフの人数」です。1日カメラマン1名で撮れば数十万円、複数拠点で2〜3日撮影し編集チームが5名関わると数百万円になります。事前に「何を撮る必要があるか」を明確にすると、必要な工数と費用が見通せます。
構成テンプレートは、動画の設計時に「何を・何秒間・どの順で見せるか」を決める骨組みです。実際に使える3分・5分の構成例を示します。
| 時間 | パート | 内容 | テロップ例 |
|---|---|---|---|
| 0:00-0:15 | オープニング | 会社の外観・現場の風景 | 社名ロゴ/キャッチコピー |
| 0:15-0:45 | 事業紹介 | 事業内容と強みを30秒で | 「私たちの仕事」/数字(拠点数・実績) |
| 0:45-1:45 | 現場・仕事 | 実際の業務の流れを60秒 | 職種名/作業工程の説明 |
| 1:45-2:30 | 社員の声 | 現場社員2名の45秒コメント | 名前・所属・入社年 |
| 2:30-2:50 | メッセージ | 代表または現場責任者の言葉 | 「私たちが目指すもの」 |
| 2:50-3:00 | CTA | 次のアクション誘導 | 「詳しくは○○へ」/URL |
| 時間 | パート | 内容 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 0:00-0:20 | オープニング | 会社の外観+現場のダイジェスト | 会社の全体像を印象づける |
| 0:20-1:00 | 事業紹介 | 事業内容・領域・強み | 数字とビジュアルで補強 |
| 1:00-2:30 | 現場・仕事 | 複数職種の業務を90秒 | 職種ごとに20〜30秒 |
| 2:30-3:30 | 社員インタビュー | 3〜4名の声を60秒に凝縮 | やりがい/入社理由/将来 |
| 3:30-4:15 | 社風・チーム | 職場の雰囲気・チームワーク | 休憩時間・会議・イベント |
| 4:15-4:45 | 代表メッセージ | 経営者からの想い | カメラ目線・音声クリア |
| 4:45-5:00 | CTA | エントリー/問い合わせ誘導 | URL・QRコード |
このテンプレートはあくまで「初期の骨組み」です。実際の撮影現場では、想定していたカットが撮れない、逆に想定外の良いシーンが撮れる、といったことが頻繁に起きます。特に「社員の声」パートは、テンプレート通りにインタビューして得られる言葉と、休憩時間の雑談で出る言葉では説得力がまったく違います。テンプレートで全体の尺配分を決めた上で、現場では臨機応変にカットを差し替える前提で進めるのが実務的です。
業種によって「見せるべき現場」も「入れるべきカット」も変わります。制作実績を軸に、業種別の構成の工夫を整理します。
製造業では、加工・組み立て・検査といった工程を映像で見せることが最重要です。求人票に「精密加工」と書いても伝わりませんが、実際の機械操作や検査工程を映像化すると、仕事の専門性が一目でわかります。必ず入れたいカットは以下です。
ホテル業では、フロント・客室・レストランといった表舞台だけでなく、清掃・調理・料飲サービスといった裏方の業務も映像化することで、仕事の全体像が伝わります。東武ホテルマネジメントの採用動画では、各職種の仕事内容や働く姿を映像化し、応募者が「自分がここで働く姿」をイメージできる構成としています。
建設業では、現場の危険性・専門性を「かっこよく」伝えることと、「安全に配慮した働き方」を両立させる構成が求められます。ドローン撮影で工事現場の規模感を見せた上で、作業員の技術と安全対策を丁寧に映像化するのが定番です。クリエイトエス・ディーの採用サイト向け映像では、日常業務の中に含まれる魅力を映像に落とし込んでいます。
「かっこいい会社紹介動画」を作るには、以下の3点が共通ポイントです。
ただし、見た目のかっこよさに寄せすぎると「何をしている会社か」が伝わりません。求職者や取引先が知りたい情報を優先し、その上で表現のクオリティを追求する順序が重要です。
会社紹介動画は制作会社選びで成否の8割が決まります。選定時に確認すべき5つの基準を示します。
制作会社ごとに得意な業種があります。IT・スタートアップの実績が多い制作会社と、製造業・現場産業の実績が多い制作会社では、撮影のノウハウも人脈も違います。自社と近い業種の実績を必ず確認してください。
「何を・いつ・誰と決めるか」が明確な制作会社を選びます。ヒアリング→構成→撮影→編集の各段階で、発注側が何を確認し何を承認するかが提示されている会社は、制作進行のトラブルが少なくなります。
「一式○○万円」の見積は要注意です。企画費・撮影費・編集費・演出費が費目別に分かれ、それぞれの工数根拠が示される見積が健全です。追加費用が発生する条件(撮影日数増・修正回数超過など)も事前に明記されているかを確認します。
現場産業の撮影では、カメラマン1名・1日で十分なケースもあれば、複数拠点で2名体制が必要なケースもあります。制作会社が「なぜこの撮影体制が必要か」を説明できるかは重要な判断材料です。
初稿→修正1回→完成、なのか、修正無制限なのか、修正回数と対応範囲が契約前に明確になっているかを確認してください。特に「テロップ変更のみ」「BGM変更を含む」「カット差し替えを含む」など、修正内容の範囲を事前に決めておくと後のトラブルを防げます。
安さで選ぶと、企画に時間をかけない・撮影日数を圧縮する・修正回数を制限するなど、品質に直結する部分が削られます。結果として「安くできたが使えない動画」ができ、作り直しで追加費用が発生します。適正価格で発注し、初回で成果につなげる方が総コストは低くなります。
会社紹介動画を「作って終わり」にしないために、制作前に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
1. ターゲットを1つに絞る
「採用にも使いたいし、営業でも使いたい」。この気持ちはよくわかりますが、1本の動画で全てをカバーしようとすると、誰にも響かない動画になります。求職者が見たい情報と、取引先が見たい情報は違います。目的ごとに動画を分けるか、メインのターゲットを1つ決めて構成を設計してください。
2. 「かっこいい映像」で終わらせない
見た目のクオリティは大切ですが、それだけでは成果にはつながりません。重要なのは、動画を見た人が「次に何をするか」です。採用動画ならエントリーページへ、営業動画なら問い合わせフォームへ。視聴後のアクションまで設計して初めて、動画が成果につながります。
3. 第三者の視点を入れる
自社のことは自社が一番わかっている。それは事実ですが、「自社にとっての当たり前」が「外から見て魅力的な情報」であることは多くあります。社員が毎日やっている業務を、求職者は「こんな仕事があるんだ」と新鮮に感じます。外部の制作会社が入ることで、社内では気づかない強みを映像に落とし込めます。
クリエイトエス・ディーの採用サイト向け映像のように、社内では当たり前に見える日常業務の中に、外から見ると魅力的な情報が含まれていることは多くあります。
最後に、制作で避けるべき失敗パターンを紹介します。
1. ターゲットが不明確
「会社紹介だからとりあえず全部入れよう」。こうして事業紹介・社員紹介・代表メッセージ・IR情報を1本に詰め込むと、どの情報も浅くなり、誰の記憶にも残りません。動画の尺は限られています。「この動画は誰に見せるのか」を決めてから構成を設計してください。
2. 情報量が多すぎる
3分の動画に10の情報を入れると、1つあたり18秒しか使えません。視聴者は途中で離脱します。伝えたい情報を「3つまで」に絞ることが、結果的に伝わる動画になります。
3. 制作後に活用されない
完成した動画が社内のサーバーに眠ったまま、というケースは少なくありません。動画は「作ること」が目的ではなく、「届けること」が目的です。制作前に「どこで使うか」を決めておくことが重要です。採用サイトに埋め込む、YouTubeにアップロードする、説明会で流す、商談資料に添付する。活用先を具体的にしてから制作に入ってください。
会社紹介動画の制作検討時によく聞かれる質問をまとめました。
尺と表現方法によって幅があります。目安として、30秒〜1分のスライドショー型なら10万〜30万円、1〜3分の実写インタビュー型で50万〜150万円、3〜5分の実写密着型で100万〜300万円が市場相場です。撮影日数と関わるスタッフ数が費用の主な決定要因です。
企画・シナリオ作成に1〜2週間、撮影に1〜2日、編集に2〜4週間で、全体で1.5〜2ヶ月が一般的な目安です。複数拠点での撮影が必要な場合や、修正回数が多い場合はさらに期間が延びます。
用途によって変わります。SNS・展示会での視認は30秒〜1分、採用サイト・YouTubeでの詳細説明は1〜3分、会社案内・IR用は3〜5分が目安です。1本で複数用途を兼ねようとするより、用途別に短尺・長尺を作り分けた方が視聴完了率と伝わり方の両面で効果が高くなります。
スマートフォンとPC編集ソフトがあれば技術的には内製可能です。ただし、企画設計・撮影ディレクション・映像編集の全てを自社リソースで行うと、担当者の稼働で数十万円分の人件費が発生します。品質と社内リソースを勘案し、企画は内製で撮影・編集は外注、といった分担型も選択肢です。
出演承諾書を制作会社経由または自社で用意し、撮影前に取得します。動画の使用範囲(採用サイト・YouTube・展示会)、掲載期間、退職時の扱いを明記しておくと後のトラブルを防げます。特に採用動画として長期使用する場合は、出演者の退職後も動画使用を継続できる条件を書面化しておくのが実務的です。
事業内容・社員構成・オフィスの見た目に大きな変更がなければ、3〜5年は使えます。ただし服装のトレンドや社員の入れ替わりで「古さ」が目立ってくるため、3年を目安に部分的なアップデート(社員インタビュー差し替え・数字の更新)を検討するのが実務的です。
軽微なテロップ変更なら5万〜10万円、社員インタビューの差し替え撮影を含む改修は30万〜80万円が目安です。ただし、初回制作時に「編集データ(プロジェクトファイル)を納品してもらうか」で改修コストが大きく変わります。契約時に確認してください。
会社紹介動画を成果につなげるために、押さえるべきポイントを整理します。
特に製造業や物流、建設、ホテルといった現場産業では、求人票やテキストだけでは仕事の実態が伝わりません。現場のリアルを映像化することで、応募者の「ここで働くイメージ」を具体的にできます。
ストークベースは、現場産業の映像制作を多数手がけてきました。工場・倉庫・ホテル・店舗など、現場のリアルを映像にする企画・撮影・編集をワンストップで対応しています。「自社の紹介動画を作りたいが、何から始めればいいかわからない」という方は、まず構成の相談からお気軽にご連絡ください。
会社紹介動画の活用を含め、採用がうまくいかない根本原因は採用がうまくいかない本当の原因で体系的に分析しています。