ブランディング動画とは?目的・事例・制作の進め方を制作会社が解説

ブランディング動画とは?目的・事例・制作の進め方を制作会社が解説
ブランディング動画の定義、制作する目的、コンセプト設計の重要性、現場産業の制作事例3件、制作の進め方、費用相場、効果の測り方を解説しています。

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「自社のブランドを映像で発信したい」と考えたとき、多くの方が「ブランディング動画」という選択肢にたどり着きます。しかし、ブランディング動画とは具体的にどんな動画なのか。広告動画や会社紹介動画と何が違うのか。はっきりしないまま検討が止まってしまうケースは少なくありません。ブランディング動画は、企業の理念やコンセプトという「抽象的なもの」を、映像という「具体」に変換する動画です。そのため、前提となるコンセプトが明確に言語化され、関係者全員が共有していることが、成果を分ける前提条件になります。この記事では、ブランディング動画の定義と目的、成否を左右するコンセプト設計、制作事例、制作の進め方、費用相場、効果測定までを解説します。制作現場の経験をもとにお伝えします。

ブランディング動画とは何か — 広告動画・会社紹介動画との違い

ブランディング動画の制作を検討する際、まず整理すべきは「どんな動画を作るのか」という定義です。ここでは、ブランディング動画の位置づけと、広告動画・会社紹介動画との違いを明確にします。
ブランディング動画とは、企業の理念・世界観・コンセプトを映像で表現し、視聴者に企業の価値観を伝える動画です。商品の購買やサービスの問い合わせを直接促すのではなく、「この企業はどんな想いで事業をしているのか」を映像で届けることが目的です。
広告動画・会社紹介動画との違いは、動画が担う「役割」にあります。

項目 ブランディング動画 広告動画 会社紹介動画
目的 企業の理念・世界観を映像で伝え、共感や信頼を獲得する 商品・サービスの購買行動を直接促す 企業の事業内容・沿革・規模を説明する
伝える対象 コンセプト・価値観・文化 商品の機能・価格・メリット 事業概要・組織体制・実績
視聴者への期待 「この企業の考え方に共感する」 「この商品を買いたい/試したい」 「この企業がどんな会社か理解する」
効果の時間軸 中長期(認知・信頼の蓄積) 短期(購買・問い合わせの直接獲得) 中期(理解・信頼の構築)

広告動画は「売る」ための動画です。商品の機能やメリットを訴求し、視聴者に具体的なアクションを求めます。一方、ブランディング動画は「伝える」ための動画です。直接的な売上にはつながりにくいものの、企業の価値観への共感や信頼は、採用・営業など複数の接点で効果を発揮します。
会社紹介動画は、事業内容や組織の概要を幅広く伝える動画です。ブランディング動画は、情報を網羅するのではなく、企業のコンセプトや世界観に焦点を絞って映像化する点で異なります。会社紹介動画の構成と作り方で、会社紹介動画の設計方法を詳しく解説しています。
PR動画も企業の価値を映像で発信する手法ですが、PR動画は特定の商品・サービス・取り組みの価値を訴求するのに対し、ブランディング動画は企業全体の理念や世界観を表現する点が異なります。PR動画の目的と作り方もあわせてご確認ください。

企業がブランディング動画を制作する3つの目的

ブランディング動画は「かっこいい映像を作る」こと自体が目的ではありません。企業がブランディング動画を制作する背景には、明確なビジネス上の目的があります。ここでは、ブランディング動画が担う3つの目的を整理します。

ブランド認知の向上 — 言葉では届かない価値を映像で届ける

企業のコンセプトや価値観は、テキストだけでは伝わりにくい領域です。「信頼と感謝」「お客様に喜びを届ける」といった理念は、言葉で書くと抽象的になりがちです。映像は、現場で働く人の表情、製品が届く瞬間、チームが連携する場面を通じて、言葉では伝えきれないブランドの空気感を具体的に届けることができます。
Wyzowlの調査(「Video Marketing Statistics 2026」n=266)では、マーケターの93%が「動画はブランド認知度を向上させる」と回答しています。テキストや写真では届かない「企業の雰囲気」や「現場のリアル」を映像で可視化することで、Webサイトや採用ページの訪問者にブランドの印象を残せます。

採用・営業・社内への一貫したメッセージ発信

ブランディング動画は、1つの映像を複数の接点で活用できる点にも意味があります。採用ページに掲載すれば「この会社の考え方に共感して入社したい」という動機を生み、営業先に見せれば「この企業と取引したい」という信頼の材料になります。
企業の情報発信は、採用・営業・IR・広報など多くの接点に分散しがちです。ブランディング動画は、企業の核となるコンセプトを1つの映像に凝縮するため、どの接点でも一貫したメッセージを届けられます。発信する情報がチャネルごとにバラバラになるリスクを防ぐ効果もあります。

社内のコンセプト共有 — インナーブランディングの起点になる

ブランディング動画は、社外への発信だけでなく、社内向けのコンセプト共有にも有効です。社員数が増えるにつれて、創業時の理念や企業の価値観が組織全体に浸透しにくくなります。周年記念やキックオフイベントでブランディング動画を上映することで、社員が「自分たちの会社はこういう方向を目指している」という認識を共有する機会になります。
タナベコンサルティンググループの調査(「2024年度ブランディングに関するアンケート」)では、成長市場におけるブランド投資方針を「増加」と回答した企業が54.7%にのぼります。ブランドへの投資は、対外的な認知向上だけでなく、社内の意識統一を含めた包括的な取り組みとして広がっています。

ブランディング動画の成否を分ける「コンセプトの共通理解」

ブランディング動画の制作で最も重要なのは、映像の品質や演出の巧みさではありません。制作の前提となる「コンセプトの共通理解」が、動画の成否を分けます。ここでは、制作現場の経験から、コンセプトが曖昧なまま制作に入った場合に何が起きるかと、制作前に整理すべきことを解説します。

コンセプトが曖昧なまま制作に入るとどうなるか

ブランディング動画は、企業のコンセプトという「抽象的なもの」を映像という「具体」に変換する作業です。この前提を理解しておくことが重要です。
コンセプトが言語化されていない状態で撮影や編集に進むと、以下のような問題が発生します。関係者間で解釈がずれている場合も同様です。

  • 撮影後に「イメージと違う」が頻発する。
    コンセプトの解釈がずれているため、制作チームが「これがコンセプトを表現した映像だ」と考えた素材が、クライアント側の期待と合わない。修正のたびに手戻りが発生し、スケジュールと予算を圧迫します。
  • 完成した動画の「軸」がぼやける。
    企業の理念・世界観・強みのうち、どこに焦点を当てるかが定まっていないと、「あれもこれも入れよう」と情報が散漫になります。視聴者が「結局この企業は何を伝えたかったのか」をつかめない動画になります。
  • 社内関係者の意見がまとまらない。
    社長は「企業の歴史を見せたい」、広報は「若い世代に刺さる映像にしたい」、人事は「採用に使いたい」。コンセプトが共有されていないと、それぞれの要望が並列に扱われ、方向性が決まりません。

こうした問題は、映像制作のスキルでは解決できません。制作に入る前の「コンセプトの言語化と共有」が、ブランディング動画の成功条件です。動画制作の失敗パターンと防ぎ方で、制作前の設計不足が原因で起きる問題について詳しく解説しています。

制作前に整理しておくべき3つのこと

コンセプトを曖昧なままにしないために、制作前に以下の3点を整理しておくことをおすすめします。
1. コンセプトを言葉にする。
「自社が大切にしている価値観は何か」「この動画を見た人にどんな印象を持ってほしいか」を、コピーやキーワードとして言語化します。「信頼」「挑戦」「地域密着」のような単語ではなく、「荷物を届ける先のお客様に喜びを届ける」のように、自社ならではの具体性を持たせることがポイントです。
2. 動画を見せたい相手と活用場面を決める。
ブランディング動画は採用・営業・社内イベントなど複数の接点で使えます。ただし、「誰に見せるか」「どこで見せるか」が決まっていないと、メッセージの強弱や尺の設計ができません。最も優先度の高い活用場面を1つ決めてから制作に入ると、方向性がぶれにくくなります。
3. 社内の関係者全員でコンセプトを共有する。
担当者と制作チームだけでなく、意思決定者(社長や役員)を含めた関係者全員が、言語化したコンセプトを確認し、合意していることが必要です。制作途中で意思決定者から「こういうイメージではなかった」と差し戻されるケースは、コンセプトの事前共有が不十分な場合に起こります。

ブランディング動画の制作事例 — 現場産業の企業はどんな動画を作っているか

ブランディング動画の検討段階では、「実際にどんな企業がどんな動画を作っているのか」が気になるところです。ここでは、ストークベースが制作を手がけたブランディング動画の事例を3件紹介します。

株式会社MIC — 40周年記念ブランディング動画

株式会社MICは、アイウェア(眼鏡・サングラス)を中心としたOEM企画製造・卸売事業を展開する企業です。創業40周年記念式典のコンテンツとして、ブランディング動画の制作をご依頼いただきました。

この動画は、過去の歴史を振り返るのではなく、「まだ見ぬ自分へ。」をコンセプトに、将来を担う若手社員にスポットを当てた構成にしました。社員の半数以上が入社5年未満という組織構成の中で、「これからのMICをどう目指していくのか、同じ気持ちにまとまっていけるコンテンツを作りたい」というのがプロジェクトの出発点でした。
制作では、4名の若手社員へのインタビューを中心に構成し、業務風景をシネマティックな映像で描写しています。この事例は、ブランディング動画が「社外への発信」だけでなく「社内のコンセプト共有(インナーブランディング)」にも有効であることを示しています。

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株式会社シンワ・アクティブ — 物流ブランド動画「ココロ踊らす、次の物流へ」

株式会社シンワ・アクティブは、総合物流事業を展開する企業です。顧客に向けて自社の姿勢を伝えるブランドコンテンツとして、ブランディング動画を制作しました。

コンセプトは「ココロ踊らす、次の物流へ」。荷物を通じてお客様に喜びや心が動く瞬間を届け、物流の未来をつくっていく姿勢を映像で表現しています。フォークリフトや梱包といった現場作業の描写に加え、荷物が届いた瞬間の表情を映し出すことで、物流が届ける「心躍る瞬間」を視聴者が体感できる構成にしました。
この動画はWebサイトでの配信に加え、パンフレットにQRコードを掲載し、紙媒体とオンラインを連動させた形で活用されています。1つのコンセプトを映像に落とし込み、複数のチャネルで一貫した発信をしている事例です。

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株式会社東武ホテルマネジメント — 採用ブランディング動画

株式会社東武ホテルマネジメントは、首都圏を中心にホテルを運営する企業です。採用活動におけるブランドイメージの向上を目的として、採用ブランディング動画を制作しました。

品格・清潔感・華やかさを基調としたトーンで、複数の職種が登場するリズム感のある構成にしています。各職種の社員へのインタビューを通じて、ホテルで働くやりがいやホスピタリティの価値を伝え、求職者が「ここで働いてみたい」と感じられる映像を目指しました。
この事例は、ブランディング動画を「採用」という明確な目的に接続した事例です。採用ブランディングの実践ガイドもあわせてご覧ください。

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ブランディング動画の制作の進め方 — 企画から納品までの流れ

ブランディング動画の制作は、一般的に企画から納品まで2〜3ヶ月が目安です。ここでは、制作の各工程で「何を決めるのか」「なぜその順序で進めるのか」を解説します。

ステップ1: コンセプトの言語化と共有

制作の最初の工程は、映像の企画ではなく「コンセプトの言語化」です。前述の通り、ブランディング動画はコンセプトを映像に変換する作業です。変換元であるコンセプトが言語化されていなければ、制作チームは何を映像にすればいいかを判断できません。
この工程では、制作会社とクライアントが一緒に「誰に」「何を」「どう伝えるか」を整理します。すでにコンセプトやタグラインが確立されている場合は、その内容を制作チームに共有し、映像の方向性を合意します。コンセプトがまだ固まっていない場合は、ヒアリングを通じて言語化を進めます。
この工程に時間をかけることが、撮影以降の手戻りを防ぐ最も有効な手段です。

ステップ2: 企画・構成の設計

コンセプトが確定したら、映像の企画と構成を設計します。具体的には、以下の要素を決めます。

  • 映像の尺
    企業ブランディング動画はWeb掲載やSNS活用の場合1〜3分が主流です。社内イベント向けは5分前後の長尺も有効です
  • 構成
    インタビュー中心か、ナレーション中心か、映像のみ(BGM+テロップ)か。コンセプトとの相性で選びます
  • 出演者
    社員が出演するか、外部タレントを起用するか。ブランディング動画では、自社の社員が出演するケースが多いです。現場のリアルを伝えるには、実際にその場で働いている人の表情や言葉のほうが説得力があります
  • 撮影場所
    自社オフィス・工場・店舗など、企業の現場を撮影場所にすることが一般的です
  • 配信先
    Webサイト、採用ページ、SNS、イベント上映など。配信先によって尺やアスペクト比が変わるため、制作前に決めておきます

ステップ3: 撮影・編集・納品

企画が確定したら、撮影日を設定し、現場で撮影を行います。撮影後、編集工程でBGM・テロップ・色調整などを加え、映像を完成させます。
撮影と編集で特に重要なのは、コンセプトとの一貫性です。撮影現場でいい映像が撮れても、コンセプトに合わない素材は使わないという判断が必要です。編集でも、「見栄えがいいから」ではなく「コンセプトに沿っているか」を基準に演出を決めます。
編集段階では、初稿→フィードバック→修正のサイクルを1〜2回繰り返し、最終版を納品します。動画制作全般の費用・流れについては、動画制作の費用相場と見積もりの見方で解説しています。

ブランディング動画の費用相場と費用を左右する要素

ブランディング動画の制作費用は、動画の種類・規模によって幅があります。ここでは、市場相場とストークベースの費用帯、費用を左右する要素を整理します。

費用に影響する4つの要素

ブランディング動画の費用は、主に以下の4つの要素で変動します。

要素 内容 費用への影響
尺(動画の長さ) 1〜3分の短尺か、5分以上の長尺か 尺が長いほど撮影・編集工数が増え、費用が上がる
撮影規模 1日撮影か複数日撮影か。撮影場所が1拠点か複数拠点か 撮影日数・移動コストに比例する
演出の複雑さ インタビュー中心のシンプルな構成か、ドローン・特殊照明等を使った演出か 機材・人員が増えるほど費用が上がる
出演者 自社社員が出演か、外部タレントを起用するか タレント起用は出演料・使用権料が加算される

予算別にできることの目安

実写ブランディング動画の費用相場は50万〜500万円程度です(動画幹事、比較ビズ、Movie Impact等の複数ソースから)。費用帯ごとの制作内容の目安は以下の通りです。

費用帯 制作内容の目安
50万〜100万円 1〜2分の短尺。1日撮影・1拠点。社員インタビュー中心のシンプルな構成
100万〜200万円 2〜3分。複数日撮影や複数拠点が可能。ナレーション・BGMの作り込み、色調整を含む
200万〜500万円 3分以上の長尺。複数拠点撮影、ドローンや特殊機材の使用、タレント起用が可能

ストークベースでは、50万円〜200万円帯を中心にブランディング動画の制作を手がけています。動画制作会社の選び方のポイントも制作会社選定の参考にしてください。

ブランディング動画の効果をどう測定するか

ブランディング動画は、広告動画のように「動画を出した翌日に問い合わせが増える」という直接的な効果測定が難しい動画です。ここでは、測定可能な指標と、効果を最大化するための考え方を整理します。
ブランディング動画の効果は、即座に売上やコンバージョン数に反映されるものではありません。しかし、効果が「見えない」のではなく、「測り方が違う」だけです。以下の指標は、ブランディング動画の効果を間接的に測定する手段として活用できます。

  • 視聴完了率
    動画をどこまで視聴したかを示す指標です。完了率が高ければ、動画の内容が視聴者にとって価値があったことを意味します
  • 再生回数
    Webサイトに埋め込んだ動画の再生回数は、ブランドへの関心度を示す参考指標になります
  • 指名検索数の変化
    ブランディング動画を公開した後、企業名やブランド名の検索回数が増えたかをGoogle Search Consoleで確認できます。ブランド認知が向上した場合、指名検索の増加として表れる傾向があります
  • 採用面接での言及率
    採用目的のブランディング動画であれば、面接時に「動画を見て応募した」「動画で会社の雰囲気を知った」という言及があるかが効果の直接的な証拠になります

効果が見えにくいからこそ、制作前に「何のためにこの動画を作るのか」を明確にしておくことが重要です。目的が明確であれば、「この指標が動けば成功」という基準を事前に設定でき、効果測定が可能になります。これは、前述の「コンセプトの共通理解」と直結するポイントです。

まとめ — ブランディング動画はコンセプトの設計で成果が決まる

ブランディング動画について、定義から制作の進め方、事例、費用相場、効果測定までを解説しました。

  1. ブランディング動画は、企業のコンセプトを映像で具体化する動画。
    広告動画(商品を売る)や会社紹介動画(企業全体を説明する)とは目的が異なります。
  2. 成功の前提は、関係者全員のコンセプト共通理解。
    コンセプトが曖昧なまま制作に入ると、手戻りが発生し、完成品の軸がぼやけます。制作前の言語化と共有が最も重要な工程です。
  3. 制作前の設計工程が、完成品の品質を決める。
    コンセプトの言語化 → 企画・構成の設計 → 撮影・編集の順序で進めることで、手戻りを最小限に抑えられます。

ストークベースは、企画構成から撮影・編集までを一貫して制作する映像制作会社です。製造・物流・ホテルといった現場産業のブランディング動画の制作実績があります。「自社のブランドを映像で発信したい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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