インタビュー動画の作り方|話を引き出す質問設計と撮影・編集のコツ

インタビュー動画の作り方|話を引き出す質問設計と撮影・編集のコツ
インタビュー動画の質は撮影テクニックではなく質問設計で決まります。用途別の質問例や緊張する出演者から自然な言葉を引き出す方法を、制作現場の経験をもとにまとめました。

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自社でインタビュー動画を作りたいと思ったとき、多くの方がまず気にするのは「どんなカメラを使えばいいか」「どう編集すればいいか」という撮影・編集のテクニックです。しかし、インタビュー動画の完成度を最も大きく左右するのは、実はそこではありません。撮影前の「質問設計」です。

この記事では、インタビュー動画の企画から撮影・編集までの作り方を、映像制作の現場経験をもとに解説します。特に、競合記事ではほとんど触れられていない「質問設計」の実務に重点を置いています。

インタビュー動画の完成度は「質問設計」で8割決まる

同じ人にインタビューしても、面白い動画とつまらない動画に分かれることがあります。その違いはどこにあるのでしょうか。

多くの場合、原因は撮影テクニックではなく、質問の設計にあります。「何を聞くか」だけでなく、「どの順番で聞くか」「どう聞くか」によって、出演者の話す内容も、話し方も大きく変わります。

たとえば、「仕事のやりがいは何ですか?」といきなり聞かれても、多くの人はうまく答えられません。抽象的な質問には、抽象的な答えしか返ってこないからです。一方で、「最近、仕事で一番手こずった場面を教えてください」と聞けば、具体的なエピソードが出てきます。そのエピソードの中に「やりがい」が自然と含まれていることが多いのです。

このように、質問の設計次第で同じ出演者から全く異なる言葉を引き出せます。インタビュー動画の作り方で最初に押さえるべきは、カメラの設定ではなく、質問の組み立て方です。

インタビュー動画の企画|撮影前に決めるべき3つのこと

インタビュー動画を企画する際に、撮影前に必ず決めておくべきことが3つあります。ここを曖昧にしたまま進めると、撮影当日に迷いが生じ、結果として使えない素材ばかりになるリスクがあります。

目的別の動画構成パターン

インタビュー動画は「誰に見せて、何を感じてほしいか」で構成が変わります。

目的 主な視聴者 動画で伝えるべき内容
採用 求職者 仕事のリアル、社員の人柄、入社理由
お客様の声 見込み顧客 導入前の課題、選んだ理由、導入後の変化
経営者メッセージ 社内外のステークホルダー ビジョン、事業への思い、社員へのメッセージ

目的を1つに絞ることが重要です。1本の動画で採用とお客様の声の両方を伝えようとすると、どちらの視聴者にも刺さらない中途半端な動画になります。

密着動画(社員の1日に密着する形式)の作り方については、密着動画の作り方の記事で解説しています。インタビュー形式ではなくドキュメンタリー形式を検討している場合はそちらをご覧ください。また、会社紹介動画全体の構成については、会社紹介動画の作り方の記事で詳しく解説しています。

出演者の選び方と事前の伝え方

出演者は「話が上手い人」ではなく「仕事に誠実な人」を選ぶのが基本です。流暢に話せるかどうかは編集でカバーできますが、仕事への姿勢や人柄は本人からしか出てきません。

出演者に事前に伝えるべきことは次の3点です。

  • 撮影の目的と使い方
    何のために撮影するのか、どこで公開するのかを具体的に伝える
  • 質問の方向性
    細かい質問内容は伝えすぎない方が自然な回答になるが、「仕事のことを中心に聞きます」程度の方向性は共有する
  • 「正解」はないこと
    台本通りに話す必要はなく、自分の言葉で話してほしいことを伝える

事前に質問を全て共有してしまうと、出演者が「模範回答」を準備してしまい、かえって不自然な動画になることがあります。

用途別の質問設計ガイド|採用・お客様の声・経営者メッセージ

インタビュー動画の質問は、用途によって「聞くべきこと」が根本的に異なります。ここでは、用途別に質問設計の考え方と具体例を解説します。

採用インタビューの質問設計

採用向けのインタビュー動画では、求職者が知りたい「仕事のリアル」を引き出すことが目標です。

求職者が採用動画で最も知りたいのは「現場での仕事の様子」です
(ノーテッド「就活生の意識調査」で44.4%が1位と回答)。これを引き出すために、以下の方向で質問を組み立てます。

  • 1日の流れ
    「朝出勤してから最初にすることは何ですか?」「午前中と午後で仕事の内容は変わりますか?」
  • 入社理由
    「この会社を知ったきっかけは何でしたか?」「最終的に決め手になったことは?」
  • 仕事の手触り
    「最近、一番手こずった場面を教えてください」「それをどうやって解決しましたか?」
  • 職場の雰囲気
    「困ったとき、最初に相談するのは誰ですか?」「チームでどんなやりとりが多いですか?」

採用動画の種類別の事例や選び方については、採用動画の事例の記事でまとめています。

お客様の声インタビューの質問設計

お客様の声(顧客インタビュー)では、見込み顧客が意思決定に必要な情報を引き出します。

企業の91%がマーケティングツールとして動画を使用しており、84%の消費者が「ブランドの動画を見て購入を決めた」と回答しています
(Wyzowl “State of Video Marketing” 2024年調査)。お客様の声動画は、この「動画による購買意思決定」を直接後押しするコンテンツです。

  • 導入前の課題
    「このサービスを検討し始めたきっかけは何でしたか?」「当時、一番困っていたことは?」
  • 比較検討
    「他にも検討したサービスはありましたか?」「最終的な決め手は何でしたか?」
  • 導入後の変化
    「導入してから、具体的にどんな変化がありましたか?」「数字で表せる成果はありますか?」
  • 今後の期待
    「今後、さらにこうなってほしいと思うことはありますか?」

経営者メッセージの質問設計

経営者インタビューでは、理念やビジョンを「自分の言葉」で語ってもらうことが目標です。原稿を読み上げるスタイルでは伝わらないため、質問で自然な語りを引き出す設計が重要になります。

  • 原体験
    「この事業を始めようと思ったきっかけは?」「創業当時のことで、今でも覚えていることは?」
  • 事業への思い
    「自社の事業を一言で表すと?」「お客様にどんな価値を届けたいですか?」
  • 社員への思い
    「社員に一番伝えたいことは?」「どんな人と一緒に働きたいですか?」
  • 将来像
    「5年後、会社はどうなっていたいですか?」「そのために今取り組んでいることは?」

話が弾むインタビューと弾まないインタビューの違い

質問のテーマが同じでも、聞き方ひとつで返ってくる答えは全く変わります。ここでは、話が弾むインタビューと弾まないインタビューの構造的な違いを解説します。

質問の順番設計|事実→感情→価値観の3段階

インタビューの質問は「事実→感情→価値観」の順に進めるのが基本です。

段階 質問の性質 質問例 期待する回答
第1段階: 事実 答えやすい客観的事実 「今の部署に配属されてどのくらいですか?」 具体的な事実
第2段階: 感情 個人の体験・感じたこと 「最初の頃と比べて、変わったと感じることは?」 エピソード
第3段階: 価値観 判断基準・信念 「この仕事で一番大事にしていることは?」 本音・思い

いきなり第3段階の質問(「やりがいは?」「大事にしていることは?」)から入ると、出演者は「良いことを言わなければ」と構えてしまいます。まず答えやすい事実質問で口を慣らし、具体的なエピソードを聞いてから、価値観に踏み込む。この順番が、自然な言葉を引き出す鍵です。

緊張する出演者から自然な言葉を引き出す方法

カメラの前で話すことに慣れている人は多くありません。特に、普段はカメラに向かって話す機会のない現場の作業者や経営者は、撮影が始まった途端に表情が硬くなることがあります。

StokedBaseでは、株式会社シンワ・アクティブの採用プロモーション動画株式会社MICの40周年記念映像など、カメラ慣れしていない出演者へのインタビュー撮影を数多く経験してきました。その中で効果的だった方法を紹介します。

  • カメラを回す前に雑談する
    機材のセッティング中に、撮影とは関係のない話(趣味、最近の出来事など)をします。「もう緊張しなくていいですよ」と言うより、自然な会話で場を温める方が効果的です
  • 最初の質問は「答えが決まっているもの」にする
    「お名前と部署を教えてください」「入社何年目ですか?」など、考えなくても答えられる質問から始めます。声を出すこと自体に慣れてもらう目的です
  • カメラの位置を工夫する
    出演者にはインタビュアー(質問者)を見て話してもらい、カメラは少し横に置く。カメラのレンズを直接見る必要がなくなるだけで、出演者の緊張は大きく和らぎます
  • 言い直しOKであることを伝える
    「途中で言い直しても大丈夫です。編集でつなげますので」と最初に伝えておくと、出演者が「失敗できない」というプレッシャーから解放されます

StokedBaseが制作したインタビュー動画の事例は制作実績ページからご覧いただけます。

インタビュー動画の撮影で押さえるべきポイント

質問設計ができたら、次は撮影の準備です。ここでは、インタビュー動画の撮影で最低限押さえておくべきポイントを紹介します。

機材と撮影セッティングの基本

インタビュー動画の撮影に必要な機材は、大きく分けて3つです。

  • カメラ
    1台でも撮影は可能ですが、2台あると編集の幅が広がります。1台は出演者の正面やや斜め(バストアップ)、もう1台は少し引いたアングルで全体を撮ります
  • マイク
    音声はインタビュー動画の命です。カメラの内蔵マイクでは周囲の雑音を拾いすぎるため、ピンマイク(出演者の胸元に取り付ける)またはガンマイク(カメラ上部やブームで狙う)を使用します
  • 照明
    窓際の自然光が最も自然な仕上がりになります。窓のない部屋や夕方以降の撮影では、LEDライトを1-2灯用意し、出演者の顔に影ができないよう正面やや斜めから当てます

撮影場所の選び方と背景の作り方

撮影場所は動画の印象を大きく左右します。

  • オフィス・会議室
    最も手軽に使える場所です。背景はシンプルに整えます。出演者の背後に散らかった書類や段ボールが映り込まないよう注意します
  • 現場・工場
    仕事のリアリティが伝わる場所です。ただし、騒音が大きい場所ではピンマイクの使用が必須になります。安全面の確認も事前に行います
  • 専用の撮影スペース
    壁紙や背景布を使って統一感のある映像を作れます。「社員インタビュー」を複数人撮る場合に有効です

背景は「情報を伝える」か「邪魔をしない」かの二択です。採用インタビューなら、実際の職場が映る背景が効果的です。お客様の声なら、シンプルな背景で話に集中させるのも一つの方法です。

インタビュー動画の編集|視聴者を離脱させない構成

撮影が終わったら編集です。インタビュー動画の編集では「話の流れを壊さずに、視聴者が飽きない構成にする」ことが最大のポイントです。

テロップ・BGM・インサートの基本

  • テロップ
    インタビュー動画では、出演者の発言をテロップで補足するのが一般的です。全文を文字起こしする方法と、要点だけを表示する方法があります。SNS向け(音声なしで視聴される前提)なら全文テロップ、YouTube向けなら要点テロップが適しています
  • BGM
    インタビュー動画のBGMは控えめに。会話の邪魔にならない音量で、明るすぎず暗すぎないトーンを選びます。出演者が話しているパートでは音量を下げ、インサート映像のパートで少し上げるとメリハリが出ます
  • インサート映像(B-Roll)
    出演者が「工場で作業している場面」について話しているとき、実際の作業映像を差し込むことで、話の内容が視覚的に伝わります。インサート映像はインタビュー撮影と同日に撮影するのが効率的です

用途別の尺の目安

インタビュー動画の尺は、用途と配信先によって変わります。

用途 推奨尺 理由
採用インタビュー 2-5分 1日の流れや仕事内容を丁寧に伝えるには2分以上必要。5分を超えると離脱率が上がる
お客様の声 1-3分 課題→導入→効果のストーリーを簡潔に伝える。長すぎると宣伝的な印象になる
経営者メッセージ 3-5分 ビジョンや思いを深く伝えるにはある程度の尺が必要。社内向けなら長めでもOK

これらは目安であり、内容の密度によって最適な尺は変わります。「長く撮って短く編集する」のが基本です。

インタビュー動画の費用と制作期間の目安

インタビュー動画を制作会社に依頼する場合の費用と制作期間の目安を紹介します。

規模 費用の目安 内容
簡易(1人撮影) 5-10万円 カメラ1台、編集シンプル、出張費別途の場合も
標準(複数人・プロ機材) 10-40万円 カメラ2台、照明・マイク、テロップ・BGM、インサート映像込み
演出込み 40万円以上 ロケーション選定、演出設計、ナレーション、複数日撮影

費用の内訳は「企画費」「人件費(撮影・編集スタッフ)」「諸経費(交通費・機材費)」の3要素で構成されます
(動画幹事、ムビサク等の複数サイトの2025-2026年データに基づく)

制作期間の目安は、簡易な撮影で1-2週間、企画から編集まで含む標準的な制作で1-1.5ヶ月です
(動画幹事、video-case.com)

動画制作全般の費用相場や見積もりの見方については、動画制作の費用の記事で詳しく解説しています。外注する場合の契約で確認すべきポイント(肖像権の取り扱い等)は動画制作の契約書の記事をご覧ください。制作会社を比較検討する際のチェックポイントは動画制作会社の選び方の記事で解説しています。

まとめ

インタビュー動画の作り方で最も重要なポイントを振り返ります。

  1. 質問設計が動画の質を決める。撮影テクニックの前に、「何を、どの順番で、どう聞くか」を設計する。事実→感情→価値観の3段階で組み立てると、出演者から自然な言葉を引き出せる。
  2. 用途によって質問設計を変える。採用・お客様の声・経営者メッセージでは、聞くべきことが根本的に異なる。
  3. 撮影・編集は基本を押さえればOK。マイク選定、背景、テロップの3点を押さえれば、質問設計の良さが映像に反映される。

StokedBaseは、インタビュー動画の企画・質問設計から撮影・編集までを一貫して制作しています。撮影前の企画段階からご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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