「採用動画を検討しているが、費用がどれくらいかかるのかわからない」。求人広告に毎月コストをかけている中で、動画にどこまで予算を割くべきか判断がつかない方も多いのではないでしょうか。
採用動画の費用は、種類や目的によって30万円から150万円以上まで幅があります。この記事では、費用の決まり方・種類別の相場・現場産業4社の実例をもとに、自社に合った予算の考え方を解説します。
目次
採用動画の見積もりを比較する前に、費用がどう決まるかを理解しておくと判断がしやすくなります。費用に影響する要素は大きく3つあります。
採用動画の目的は、大きく分けて3つのパターンがあります。
認知目的の短尺動画なら10万〜50万円の範囲に収まることが多く、1日密着動画なら40万〜120万円が目安です。「何のために作るか」で費用のレンジが決まります。
動画が長くなるほど、撮影時間と編集工数が増えるため費用は上がります。
| 尺の目安 | 主な用途 | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 30秒〜1分 | SNS・サイトのファーストビュー | 撮影・編集ともにコンパクト |
| 2〜3分 | 社員インタビュー・職種紹介 | 標準的な制作ボリューム |
| 5分以上 | 現場密着・会社紹介(フル版) | 撮影日数・編集量ともに増加 |
ただし、「長い動画1本」よりも「短い動画3本」のほうが費用対効果が高い場合もあります。1本の長い動画は途中で離脱されるリスクがありますが、短い動画を用途別に分ければ、それぞれの場面で活用できます。
誰が作るかによっても費用は大きく異なります。
| 制作体制 | 費用の目安 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 自社内製 | 数万円〜(機材・ソフト代) | コストを抑えられる | クオリティが担保しにくい |
| フリーランス | 10万〜50万円 | 柔軟な対応が可能 | 企画・構成は自社で考える必要がある |
| 制作会社 | 30万〜150万円以上 | 企画から撮影・編集まで一括で任せられる | 費用は最も高い |
制作会社に依頼する場合の費用は、一般的に「ディレクション費」「企画費」「撮影費」「編集費」の合算で構成されます。ディレクション(全体の進行管理・方向性の設計)と企画(構成・台本)に費用がかかる分、費用は高くなります。その代わり、「何を伝えるか」の設計から任せられるのがメリットです。
採用動画の効果や必要性については、採用動画の効果をデータと事例で検証した記事で詳しく解説しています。制作の具体的な流れは採用動画制作の流れと手順も参考にしてください。
ここでは、採用動画の代表的な4種類について、費用相場を解説します。金額は動画幹事・moovy等の制作会社比較サイトや各制作会社の公開情報を参考にした、制作会社に外注した場合の相場です。
社員に仕事内容ややりがいを語ってもらう形式の動画です。採用動画の中で最もスタンダードな種類で、制作費も比較的抑えやすいのが特徴です。
費用が30万〜80万円の幅になるのは、出演者の人数、撮影場所の数、編集の作り込み度合いによって工数が変わるためです。1名・1拠点なら30万円台、複数名・複数拠点なら60万〜80万円が目安です。
社員の1日に密着し、朝の出勤から退勤までの流れを追うYouTube向けの長尺動画です。求人票では伝わらない「現場の空気感」をそのまま届けられるため、現場産業の採用では特に効果的です。
後述のYouTube採用動画(対談・Q&A等)と同じYouTubeコンテンツですが、撮影が丸1日かかり編集量も多いため、費用は高くなります。その分、仕事内容・職場の雰囲気・社員同士のやりとりまで映像で伝えられるため、入社後のミスマッチ防止に直結します。
企業の事業内容・理念・職場環境を総合的に紹介する動画です。採用サイトのトップページやファーストビューに配置されることが多く、企業の第一印象を左右します。
ナレーション収録やモーショングラフィックスを加えると費用は上がります。シンプルに社員の声と現場映像で構成する場合は50万〜80万円、演出を加える場合は80万〜120万円が目安です。
YouTubeチャンネルで定期的に発信する採用コンテンツです。対談、Q&A、社内紹介など、撮影・編集ともにコンパクトな企画が中心です。
1本あたりの費用を抑えられるため、複数本をシリーズとして制作しやすいのが特徴です。3〜5本をまとめて依頼すれば、1本あたりの単価はさらに下がります。「まず1本作ってみたい」という場合にも始めやすい形式です。
ここからは、StokedBaseが実際に制作に関わった4社の事例を紹介します。具体的な制作費用は案件ごとに異なるため金額は記載しませんが、前章の相場表のどの範囲に該当するかを示します。
榛木金属工業株式会社は、大阪で100年近く金属加工を手がける企業です。社員密着動画と工場見学動画の計4本を制作しました。
制作内容:
費用感: YouTube密着動画カテゴリ(40万〜120万円/本)に該当。4本をまとめて制作することで、1本あたりの単価を抑えています。
この事例のポイント: 製造業の現場はテキストでは伝わりにくい仕事です。プレス機が金属を成形する迫力、職人の手元の動き。映像にすることで「この現場で働く自分」を想像できる材料を提供しています。
実績詳細: StokedBase 制作実績 榛木金属工業
シンワ・アクティブ株式会社は、大阪を拠点に総合物流事業を展開する企業です。ブランド動画の制作に加え、YouTubeチャンネルの運用、採用サイトの制作まで一貫して携わりました。
制作内容:
費用感: 動画単体ではなく、映像+Web+写真を組み合わせたプロジェクトです。会社紹介動画(50万〜120万円)+YouTube採用動画(10万〜50万円/本)+Web制作を含む複合型の構成になっています。
この事例のポイント: 単発の動画ではなく、採用プロセス全体を映像でカバーする設計にしたことです。求職者が最初に目にする採用サイトから、社員密着のYouTubeコンテンツまで、情報収集の各段階に対応するコンテンツを配置しています。
実績詳細: StokedBase 制作実績 シンワ・アクティブ 採用サイト
株式会社東武ホテルマネジメントでは、採用向けの職種紹介動画と、採用サイトTOPのファーストビュー動画を制作しました。
制作内容:
費用感: 社員インタビュー動画(30万〜80万円)+会社紹介動画(50万〜120万円)の組み合わせに該当します。2本をまとめて制作することで、撮影日をまとめる等の効率化が可能です。
この事例のポイント: ホテル業は「フロント」のイメージが先行しがちですが、実際にはレストラン、宴会、管理部門など多様な職種があります。複数の職種にスポットを当てることで、求職者が「ホテルで働く」のイメージをフロントだけでなくバックヤードまで含めて具体化できるようにしました。
実績詳細: StokedBase 制作実績 東武ホテルマネジメント 職種紹介動画
株式会社クリエイトエス・ディーは、ドラッグストア事業を展開する企業です。採用サイト向けのブランド動画と社員インタビュー動画を制作しました。
制作内容:
費用感: 会社紹介動画(50万〜120万円)+社員インタビュー動画(30万〜80万円)の組み合わせに該当します。
この事例のポイント: インタビュー動画では、事前に質問項目を人事担当と整理した上で、回答は社員に自由に話してもらう形式を取りました。台本を読み上げる形式だと「言わされている感」が出てしまいます。社員が自分の言葉で語ることで、求職者が「この人と一緒に働くんだな」と感じられるリアリティを重視しています。
実績詳細: StokedBase 制作実績 クリエイトエス・ディー インタビュー動画
採用動画を検討する際に知っておきたいのが、「映像制作(ブランディング映像)」と「YouTube動画」の違いです。見た目は同じ「動画」ですが、制作の考え方と費用構造が異なります。
ブランディング映像は、採用サイトのファーストビューや会社説明会で使う、企業の世界観を伝えるための映像です。
費用が高くなる理由は、「見せ方」への工数が大きいからです。伝える情報量よりも、映像としての完成度・ブランドイメージの表現に重点を置きます。
YouTube動画は、対談やQ&Aなどの短尺企画から、1日密着のような長尺コンテンツまで含みます。
費用を抑えられる理由は、映像の「完成度」よりも「伝える情報の量と質」を優先するからです。照明を作り込む代わりに、社員の自然な表情を優先する。カラーグレーディングに時間をかける代わりに、テロップで情報を補足する。このように「何に工数をかけるか」の優先順位が違います。
結論として、予算が限られている場合はYouTube動画から始めるのが現実的です。
理由は3つあります。
ブランディング映像は、YouTube動画で採用コンテンツの効果を実感してから検討しても遅くありません。「まず動画を1本作ってみる」なら、YouTube動画が最も始めやすい選択肢です。
「動画を作る予算があるなら、その分を求人広告に回したほうが確実では?」。こう考える方もいるかもしれません。ここでは、求人広告と採用動画の費用構造の違いを整理します。
求人広告と採用動画は、費用のかかり方が根本的に異なります。
| 項目 | 求人広告 | 採用動画 |
|---|---|---|
| 費用の性質 | 掲載ごとに費用が発生(ランニングコスト) | 制作時に一括(初期投資) |
| 使用期間 | 掲載期間のみ(1〜4週間が一般的) | 一度作れば数年単位で活用可能 |
| 掲載終了後 | コンテンツは消える | 手元に残り、繰り返し使える |
たとえば求人広告に月15万円をかけている場合、年間で180万円の支出です。掲載が終われば、そのコンテンツは消えます。一方、同じ予算で複数本の採用動画を制作すれば、2〜3年にわたって活用できます。
求人広告は、掲載先の媒体でしか見られません。一方、採用動画は複数の場面で使えます。
使う場面が増えるほど、1回あたりのコストは下がっていきます。特に年間を通じて採用を行っている企業にとっては、長期的なコストメリットが出やすい手段です。
費用対効果を考える際に見落としがちなのが、採用後のコストです。
エン・ジャパンの調査(2025年、n=291社)によると、早期離職の要因1位は「仕事内容のミスマッチ」(57%)です。
出典: エン・ジャパン「早期離職」実態調査 2025年入社3ヶ月以内に辞められた場合、採用にかけた広告費・面接の工数・研修費が全て無駄になります。
採用動画で現場のリアルを事前に見せることは、このミスマッチを減らす手段になります。「求人広告の費用 vs 動画の費用」ではなく、「ミスマッチによる隠れコストを含めた採用コスト全体」で比較するのが適切な考え方です。
ただし、採用動画は求人広告の代わりではありません。求人広告で露出を確保し、動画で情報の深さを補う。この組み合わせが現実的な運用方法です。
製造業における採用課題の構造については製造業の採用が難しい5つの理由と対策、建設業については建設業の採用課題の詳しい分析で解説しています。
最後に、「実際にいくらの予算で何ができるのか」を3段階で整理します。自社の予算に合った始め方の参考にしてください。
作るもの: YouTube採用動画 1〜2本(対談・Q&A等の短尺企画)
「まず1本作ってみたい」という場合の最初のステップです。最も採用ニーズの高い職種にフォーカスし、社員の日常や仕事の中身を伝える動画を制作します。
まずは1本で効果を確かめてから、追加制作を検討するのが無理のない進め方です。
作るもの: 社員インタビュー動画 1本 + YouTube密着動画 1本 + 短尺YouTube動画 1〜2本
職種別に複数の動画を揃え、求職者が「自分に近い職種の動画」を選んで見られる状態を作ります。
この予算帯なら、複数本をまとめて制作することで1本あたりの単価を下げられます。撮影日を1〜2日にまとめる、同じ場所で複数の企画を撮るなどの工夫で効率化が可能です。
作るもの: ブランディング映像 + 社員インタビュー + YouTube動画 + 採用サイト連動
採用プロセス全体を映像でカバーする設計です。前述のシンワ・アクティブの事例のように、採用サイト・YouTube・ブランディング映像を一貫したトーンで制作し、求職者が情報収集する各段階に対応するコンテンツを揃えます。
この規模のプロジェクトでは、「何を作るか」だけでなく「どう配置し、どう運用するか」まで含めた設計が重要になります。制作会社に相談する際は、動画の制作だけでなく、活用の設計まで相談できるかどうかを確認してください。
採用ブランディングの考え方については、採用ブランディングの実践ガイドで詳しく解説しています。
採用動画の費用について、種類別の相場・実例・予算別の始め方を解説しました。要点を3つにまとめます。
StokedBaseは映像・YouTube・Webを横断し、企画の壁打ちから撮影・編集、採用サイト制作、配信設計まで一気通貫で支援しています。費用は案件ごとに、ディレクション・企画・撮影・編集の内容に応じた見積もりを作成します。「自社の採用課題にはどんな動画が合うのか」「予算内で何ができるのか」、15分の無料相談で確認できます。まずは気軽にお問い合わせください。