「求人媒体に求人票を出しても、クリックはされるけど応募まで進まない」「動画を載せられる求人媒体が増えたけれど、どの媒体で何ができるのか把握できていない」。求人動画の検討を始めた採用担当者の多くが、まず整理したいのは「求人媒体ごとに何が載せられるのか」という一次情報です。
この記事では、「求人媒体(Indeed・エン転職・マイナビ転職・doda等)に載せる動画」を「求人動画」と定義したうえで、媒体別の掲載スペック、応募率へのインパクト、15秒/30秒/60秒の尺別構成テンプレート、費用感までを整理します。求人媒体運用の担当者が、動画導入の可否と優先順位を判断できる粒度で書きました。
目次
求人動画とは、求人媒体・求人票内に埋め込む短尺(15秒〜1分程度)の動画です。採用サイトや自社YouTubeチャンネルに載せる「採用動画」全般とは区別されます。
一般的に「採用動画」は3〜5分程度の会社紹介・社員インタビュー・密着ドキュメンタリー等を含む広い概念です。これに対し「求人動画」は、Indeedやエン転職などの求人票内に配置し、求人票と一緒に閲覧される動画に限定されます。
求人動画には以下の特徴があります。
採用サイトに載せる採用動画が「認知〜比較検討」を担うのに対し、求人動画は「比較検討〜応募直前」の判断材料として機能します。
| 項目 | 求人動画 | 採用動画(広義) |
|---|---|---|
| 掲載場所 | 求人媒体・求人票 | 採用サイト、YouTube、SNS等 |
| 尺の目安 | 15秒〜1分 | 3〜5分(長尺は10分超も) |
| 主な目的 | 応募率・クリック率の改善 | 認知、応募、内定承諾、入社後定着 |
| 制作費用の目安 | 5〜50万円 | 30〜500万円 |
| 視聴環境 | スマホ・ミュート視聴が多い | PC・音声ありも一定数 |
| 情報の粒度 | 求人票の補足(仕事内容・現場の雰囲気) | 会社全体・事業・文化 |
採用動画全体の効果や設計原則については、採用動画の効果とは?データと現場産業の事例で徹底検証で詳しく整理しています。本記事では求人媒体に掲載する動画に絞って解説します。
求人動画を導入した求人票は、動画なしの求人票と比べて応募率が高くなる傾向があります。ただし「動画を載せれば必ず応募が増える」わけではなく、動画の内容と設計が結果を左右します。
株式会社moovyが公開した調査では、動画を取り入れた求人情報の応募率は、動画を使っていない求人情報に比べ34%高いという結果が報告されています。他調査でも「動画付き求人はテキストのみ求人と比べて応募率が1.2〜1.5倍」という数値が複数報告されています。
出典: moovy「採用動画トレンド調査2025」
数値幅(1.2倍〜1.5倍)は、業種・職種・媒体・動画の質によって変動します。「動画を載せる=応募が1.34倍」と単純化できるものではなく、あくまで「適切に設計された動画」が改善のドライバーになります。
求職者は限られた時間で複数の求人を比較します。テキスト情報だけで比較する場合、「仕事内容」「給与」「勤務地」の条件面が判断軸の中心になり、条件が似た求人からの選別は難しくなります。
動画があると、以下の情報が数十秒で伝わります。
これらは求人票のテキストでは正確に伝えられないため、動画付き求人は「条件だけでなく雰囲気で判断したい層」に強くリーチします。
moovyの調査では、志望度が高い企業の動画では「1分以上視聴した」が45.5%で最多、まったく知らない企業では「30秒以上1分未満」が30.4%で優位でした。
出典: moovy「採用動画トレンド調査2025」
読み取れるのは以下の点です。
求人動画は「動画を作ること」より「求人票の閲覧行動に合わせた尺と内容にすること」が成果を左右します。
求人動画は媒体ごとに掲載方式が異なります。主要4媒体(Indeed、エン転職、マイナビ転職、doda)の対応状況を整理します。
Indeedでは、直接投稿型の求人には動画掲載機能が限定的で、自社採用ページからのクローリング(Indeed PLUSや採用サイト連携)経由で動画を含む求人情報を掲載する形が主流です。採用サイトに動画を埋め込み、その求人ページをIndeedがクロールする形になります。
Indeedは2026年3月に求人掲載ポリシーとアルゴリズムを改定し、求人情報の信頼性向上と応募率向上を軸とした変更を行っています。動画そのものの直接掲載枠は限定的ですが、求人票のクオリティ評価軸に「情報の充実度」が入るため、動画リンクや埋め込みを持つ求人ページの評価が相対的に上がる可能性があります。
出典: イオレ「【2026年3月改定】Indeedの求人掲載ポリシー変更点」
運用のポイント:Indeed経由で動画を活用したい場合、まず自社の採用サイトに求人動画を埋め込み、そのページをIndeedにクロールさせる設計が現実的です。
エン・ジャパンは、エン転職の求人票内に動画を追加できる「動画ムービー」サービスを提供しています。求人票と一緒に動画が表示される仕組みで、掲載オプションの一つとして選択できます。
出典: エン・ジャパン「動画ムービー求人サービス」
エン転職は求人票のフォーマットが標準化されているため、動画は求人票の閲覧フローの中で自然に視聴される導線が確保されています。
マイナビ転職は「求人ハイライトムービー」という30秒の動画サービスを提供しています。求人情報のオススメポイントを30秒に凝縮した動画で、求人媒体側のフォーマット(30秒)が明確に定義されているのが特徴です。
出典: マイナビ転職「求人ハイライトムービー」
30秒という短尺仕様は、求人媒体で動画を検討する際の一つの指標になります。マイナビ側で制作パートナー(リチカ等)と連携する形もあり、「動画制作の外注先を自分で探さなくても媒体経由で用意できる」オプションがあります。
| 媒体 | 動画掲載の方式 | 尺の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Indeed | 採用サイト連携・クローリング型が中心 | 制約なし(採用サイト側の動画に依存) | 動画そのものより「求人情報の充実度」評価に寄与 |
| エン転職 | 媒体側の動画ムービーサービス | 媒体仕様に準拠 | 求人票の閲覧フロー内に動画が組み込まれる |
| マイナビ転職 | 求人ハイライトムービー(30秒) | 30秒 | 尺が明確。制作パートナー連携あり |
| doda | プランによる(企業ページ・採用サイト連携) | プラン依存 | プラン選択時に動画対応の可否を確認 |
運用の判断軸:媒体を絞って集中投下するか、自社採用サイトに動画を配置して複数媒体からのクローリングで横展開するか。運用中の媒体構成に応じて選びます。
採用動画には多数の種類がありますが、求人媒体の短尺枠で機能するのは以下の4パターンです。採用動画の種類全体は採用動画の事例を種類別に紹介にまとめています。
「1日の仕事の流れ」を早回しで見せる形式。工場・倉庫・店舗・現場作業など、テキストで伝えづらい業務内容を持つ職種に向いています。ナレーションなしでも成立するため、ミュート視聴に強い。
現場で働く1人の社員が「業務内容」「入社の決め手」「1日の流れ」を短く語る形式。求職者が「同じ立場の人がどう働いているか」を確認できるため、応募判断の心理的ハードルが下がります。
会社の方向性や求める人材像を、代表または現場責任者が短く語る形式。求人票では伝わらない「人柄」「本気度」が伝わります。ただし尺が長くなると離脱率が上がるため30秒以内に抑えます。
現場の様子・設備・チームの雰囲気を、カット割りで15秒に凝縮した形式。BGMのみで音声を使わず、字幕で情報を補足する構成が多い。SNS広告の縦型動画にもそのまま流用できます。
いずれも「求人票の補足として、条件では伝わらない情報を届ける」役割です。長尺の会社紹介動画やドキュメンタリー動画は、求人媒体の枠には収まりません。密着型の動画作りについては密着動画の作り方を参考にしてください。
求人動画は、採用動画全体と比べて「尺が短い」「求人票の補足として機能する」「ミュート視聴が多い」という条件で設計します。制作フロー全体は採用動画の制作フローで解説していますが、ここでは求人媒体対応に絞ったポイントを整理します。
| 尺 | 用途 | 構成の目安 |
|---|---|---|
| 15秒 | 現場ダイジェスト・SNS広告連動 | カット3〜5点、BGMのみ、字幕で情報補足 |
| 30秒 | 求人媒体標準(マイナビ求人ハイライトムービー等) | 冒頭2秒+本編20秒+締め8秒 |
| 60秒 | 社員1人紹介・志望度高い層向け | 導入10秒+本編40秒+締め10秒 |
30秒が最も汎用性が高く、求人媒体標準として広く採用されています。「まず1本作る」場合の推奨は30秒です。
求人動画で最も重要なのは冒頭2秒です。求職者は求人票を流し見しながら動画のサムネイル・冒頭を確認し、興味を持ったものだけ視聴を続けます。
30秒動画の推奨構成:
「会社ロゴから始まる」「代表挨拶から始まる」構成は離脱率が高くなります。冒頭は「求職者が知りたい情報」から始めます。
求人票と動画は別のメディアとして機能させます。
両者が矛盾しないよう、求人票の文言と動画の内容を制作前にすり合わせておきます。「求人票では『若手中心の職場』と書いてあるのに、動画には50代しか映っていない」といった不整合は応募辞退の原因になります。
求人動画の費用は、制作方法によって大きく3段階に分かれます。採用動画全体の詳細な費用相場は採用動画の費用|種類別の相場と予算別の始め方にまとめています。求人動画(媒体対応の短尺)に絞った目安は以下です。
| 制作方法 | 費用の目安 | 適したケース |
|---|---|---|
| 内製(スマホ撮影+無料編集ソフト) | 0〜5万円 | 少量・トライアル・複数職種の量産 |
| 外注(簡易編集・素材提供) | 5〜30万円 | 撮影は自社、編集のみ外注 |
| 外注(撮影+編集フル対応) | 30〜100万円 | 高品質・複数媒体展開・長期運用 |
| 求人媒体経由(マイナビ求人ハイライトムービー等) | 媒体プランに含む/別料金 | 媒体運用と一体で発注したい |
30秒〜1分の求人動画は、採用動画全体(3〜5分の会社紹介動画等)と比べて撮影・編集の工数が少ないため、費用も低く抑えられます。「まず1本作って効果を試す」という段階なら10〜30万円レンジで始められる選択肢が現実的です。
費用を抑えるコツ:
求人動画の効果は業界によって差があります。
いずれも「テキストの求人票では伝わりにくい要素が応募判断の中心にある業界」です。製造業の実例は製造業の採用動画事例にまとめています。
これらのケースでは、求人動画より求人票の記載改善・スカウト経由・自社採用サイト強化の優先度が高くなります。
求人動画で成果が出ない典型パターンを4つ整理します。
「せっかく動画を作ったから長く見せたい」と3分〜5分の動画を求人媒体に載せると、離脱率が急上昇します。求人媒体での動画視聴は「求人票を読む合間の数十秒」であり、長尺は最後まで見られません。求人動画は30秒〜1分に抑えます。
会社案内動画・ブランディング動画は、求職者ではなくクライアント・株主・パートナー向けに設計されています。これを求人媒体に流用すると、「求職者が知りたい情報(仕事内容・現場・人)」がなく、応募率は上がりません。求人動画は求人媒体・求人票を前提に別途設計します。
多くの求職者は電車内・オフィス・自宅でスマホをミュートにして視聴します。ナレーション主導・音声必須の設計だと情報が伝わらず、音声なしで視聴した求職者は途中離脱します。BGM+字幕で完結する構成が求人動画の基本形です。
求人票で「20〜30代中心の職場」と書いてあるのに、動画には50代の社員しか映っていない。求人票で「未経験歓迎」と書いてあるのに、動画では専門用語が飛び交う。こうした矛盾は応募辞退・面接辞退の直接的な原因になります。制作前に求人票の文言と動画の内容をすり合わせます。
求人動画は、採用動画全体と切り離して「求人媒体に載せる短尺動画」として設計するのが成果への近道です。要点は以下の3つです。
ストークベースでは、現場産業(製造・物流・建設・小売)の求人動画・採用動画の制作実績があります。求人媒体向けの短尺動画から自社採用サイト向けの長尺動画まで、既存の運用媒体に合わせて設計しています。